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2006年11月30日 (木)

消えゆく「現場仕事」

今日は多忙な1日だった。窓口業務の間に、トラブル対応や組合の会議が入り、さらには緊急の係ミーティングと、ろくに食事をする暇もなかった。

ミーティングの議題だったのが、人員削減を目的とした業務の「外注化」である。出席者としては、基本的に反対する方向で一致したのだが、実際のところ「組織の意思」は既に決定済みのようである。結局のところ、「人減らし」が至上命題で、業務効率などは二の次・三の次ということなのだろう。

外注化が検討されている業務は、上層部から「現場仕事」とみなされているのだが、実際には専門性の高い業務も多い。他の部署でも似たようなことが計画されており、私が従事してきたか、今後従事したいと思っていた仕事が消え失せようとしている。「現場仕事」にそれなりの誇りを持ってきた者としては、空しい限りである。

際限のない外注化は、職場に新たな「身分社会」を作り出すだけである。正規雇用者は現場から切り離され、「上」の立場から業者に指示を出す。たとえ同じ部屋で仕事をしていても、両者が対等な目線で顔を合わせることはない。日本中の職場でこうした光景が繰り広げられてきたことが、差別意識の強化・再生産につながってきたのではなかろうか。

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2006年11月23日 (木)

死語となった「国際化」「時短」

まだ私が中高生だった頃、よく耳にした言葉が「国際化」「時短」であった。当時はバブルの最中か、その崩壊直後で、今よりも経済的な余裕が日本社会にあったことの反映だろう。それにしても、今では考えられないほどの「進歩的」な空気が、当時は確かにあった。

今、メディアを席捲しているのは「国際化」ではなく、「国益」なるキーワードである。権力中枢からは遠く離れたところにいる一般市民までもが、当然のように「日本の国益」を云々する。「時短」(労働時間短縮)という言葉も全く聞かれなくなり、それどころか、「ホワイトカラー・エグゼンプション」なる名目で無制限の長時間労働が解禁されようとしている。しかも、このことについて世論は無関心である。

http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20061111&j=0023&k=200611115112

http://www.asahi.com/business/update/1121/145.html

「貧すれば鈍する」という言葉がある。いささか品が悪いが、今の日本社会の状況はこの言葉に象徴されているのではないか。確実に増加しつつある「貧困層」の不満は、政治家・マスメディアの巧妙な誘導によって、排外主義・公務員叩き・犯罪厳罰化といった方向にそらされているのが実情だ。「国際化」「時短」が死語となったのは、その反映であろう。

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2006年11月16日 (木)

旭鷲山をめぐる報道

元小結・旭鷲山が先日「電撃引退」したが、その背景に金銭トラブルがあったのではないかという報道がなされている(教育基本法「改正」案が衆議院で強行採決された日に、このニュースについて書くのはいささか気が引けるが、相撲ファンとしてはやむを得まい)。

http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=sports&d=20061116&a=20061116-00000054-sph-spo

http://www.zakzak.co.jp/spo/2006_11/s2006111604.html

旭鷲山と大島親方はこの疑惑を全面否定し、引退は「純粋に」健康上の理由によるとしている。しかし最近の土俵を見ても、旭鷲山にはかなりの地力が残っているように見えたし、今回の引退はいささか唐突の感があった。旭鷲山の「事業家」としての活躍は、かねてから知る人ぞ知るところであり、土俵外で何らかのトラブルがあったのは事実かもしれない。

ただ、報道されている程度の金銭トラブルなら、たとえば現役時代の横綱・貴乃花についても報じられたことはあった。それが引退に追い込まれるまでに至ったのは、やはり「外国人」であることによる立場の弱さがあったのではないだろうか。引退についていかなる事情があれ、モンゴル人力士のパイオニアとして旭鷲山が果たした功績が消えるわけではない。今後の健闘を祈りたい。

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2006年11月14日 (火)

良いニュースと悪いニュース。

今日は、良いニュースと悪いニュースがあった。まず良いニュースの方から。

朝出勤すると、元上司の女性からメールが来ていた。大病院で何か検査を受けたことは聞いていたが、その結果がこのほど出て、問題なかったとのこと。私としても気になっていたので、正直ホッとした。後で雑談しに行ったが、明るい表情が戻っていて何よりであった。真面目に働き過ぎる人だけに(それを他人に強要しないところが尊敬できるのだが)、今後は体に気をつけて欲しいものである。

一方、悪いニュース。たまたま、前の部署でお世話になった取引先の方と、出くわして立ち話する機会があった。ところが、私の後任の方が最近「休んでいる」という。寝耳に水だったので、他の人にも聞いてみたところ、どうも体調を崩されているらしい。精神的なものか肉体的なものかは不明だが、異動から間もないだけに心配である。前の部署は、私の在職中も複数の方が辞めていったが、やはり体質に問題があるのだろうか・・・。

いずれにしても痛感するのは、組織は個人を守ってくれないということである。たとえ激務で体調を崩した者であっても、その不利益を「自己責任」として引き受けなければならないというのが、今の日本社会だ。自分の健康は自分で守るしかない。

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2006年11月12日 (日)

大相撲九州場所

大相撲九州場所が開幕した。ただ残念ながら、大関・白鵬が休場しているし、他に横綱・大関昇進のかかった力士もおらず、その意味ではいささか話題性に乏しい。もちろん、朝青龍の独走になるとは限らないとはいえ、どれだけ「内容のある」場所になるかは心もとないところがある。

今日(初日)の結果は、横綱・大関全員が白星スタートと、無難なものであった。しかし、最近の大関陣は、滑り出しがいかに好調に見えても、終わってみると「申し合わせたように」8~9勝に終わってしまうというのが最近のパターンなのである。こうした「予定調和的」な雰囲気が、表面上の外国人力士ブームにもかかわらず、ファンに物足りなさを感じさせている。

琴欧洲・白鵬など有望力士の故障が相次いでいることについても、相撲協会の対応は満足のいくものではない(琴欧洲については、膝の治療のため、師匠命令で本場所を休ませるべきではないかとかねてから思っている)。このままでは、せっかく回復の兆しが見えた相撲人気も、ほどなく衰えてしまうのではないかと懸念する今日この頃である。この懸念が、杞憂に終わるよう祈るほかない。

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2006年11月 5日 (日)

『人形たちの椅子』

赤川次郎氏の推理小説に、『人形たちの椅子』というものがある。もともと朝日新聞の連載小説として発表された作品で、手元に角川文庫版を持っていたのだが、このほど読み返してみた。

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4041497809.html

ストーリーは、企業の受付嬢である主人公が、抗議に来た組合員の失踪について真相を解明していく・・・というものである。しかしこの作品の本質は、推理小説というよりも、「組織と個人」というテーマを扱った文学作品に近い。

特に示唆的なのは、「人形たちの椅子」というタイトルである。組織の中には、上から下までの様々な「椅子」(ポスト)がある。言うまでもなく、それぞれの「椅子」に座るのは「人間」でなければならない。しかし、組織が冷酷さを発揮して個人を圧殺する時、それらの椅子は「人形たちの椅子」となる。だからこそ、事件が解決し、組織の犯罪が白日の下にさらされた最終章のタイトルは、「人間の椅子」となっているのである。

組織とは何とも不思議なものである。同じデスクで机を並べていても、たとえば管理職と非管理職、正規雇用者と非正規雇用者との間には厚い壁がある。長年の人間関係が築かれていても、前者は後者を必要とあれば「切り捨てる」のである。そのことは誰も口には出さないし、そのためふと忘れてしまうこともあるが、何かの折に否応なく気付かされてしまう。『人形たちの椅子』という小説は、その怖さを余すところな描き出した秀作といえよう。

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2006年11月 2日 (木)

風邪でダウン。

10月期の異動から1ヶ月がたち、公式・非公式の歓送迎会ラッシュも一段落したところで、風邪で発熱してしまった。週末の予定もあったのだが、キャンセルすることになりそうだ。

新しい課の仕事内容は、窓口及び電話での「お客様対応」が中心で、それほど残業が多いわけではない。ただ時間内は緊張を強いられるし、完全主義の先輩がいて、人間関係に気を使う。そして何より、達成感が希薄である。日常業務にはおおむね慣れたつもりなのだが、無意識に心身の疲労がたまっていたのだろう。

本業と掛け持ちしている大学院のドクターコースは、入学して3年半になる。ここ1~2年が正念場なのだが、ここ半年ほどは本業絡みで波乱が多く、思うほど研究に集中できていない。そろそろ気を取り直して勉強しなければ・・・・と気が焦るが、とりあえずは体調回復に専念せざるを得まい。

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2006年11月 1日 (水)

「必修漏れ」騒動のタイミング

進学校を中心とした、高校の必修科目の未履修問題。この問題そのものについては、公立校だけでなく私立校まで含めて、「必修漏れ」の実態を徹底究明すべきだと考える(在学生に、過度な不利益を与えないよう配慮するのはもちろんだが)。

ただ、どうしても気になるのが、この問題がクローズアップされてきたタイミングである。最初に「必修漏れ」が判明したのは、富山県立高岡南高校だったが、発覚に至る経緯は記事を見ても必ずしもはっきりしない。「投書」がきっかけという説もあるが、詳細は不明である。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20061024ur22.htm

折しも、10月30日から、国会では教育基本法改正案が実質審議入りした。時期の一致は偶然かも知れないが、結果として、今回の騒動で国会の動きから国民の目がそらされていることは確かである。「必修漏れ」問題では、現場の教職員も対応に大わらわとなっており、教基法改正反対運動のエネルギーもかなり削がれているのではなかろうか。

最近の政局では、絶妙なタイミングで、「結果として」与党勢力を利するような事件が起きることが多い(たとえば、ライブドア事件のさなかに起きた、堀江偽メール事件など)。今回の問題についても、メディアには冷静さを保った報道を望みたいものである。

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